今回は「大気の状態が不安定」とはどういうことなのか、解説していきます。
大気の状態が不安定になると、ゲリラ豪雨と呼ばれる局地的大雨が起きたり、雷が発生したりするおそれがあります。
天気予報で傘マークがなくても、「大気の状態が不安定」と聞いたときは雨や雷に注意が必要です。
「大気の状態が不安定」とは?
上空のほうに冷たい空気、地上付近に暖かい空気がある状態のことを「大気の状態が不安定」といいます。
反対に、上空のほうに暖かい空気、地上付近に冷たい空気がある状態は「大気の状態が安定している」と言えます。
例えばクーラーを付けた部屋にいるとき、床のほうは涼しいのに、天井のほうは暑くなっていることがあります。
クーラーのスイッチを入れた直後は、天井のほうに冷たい空気があるはずです。
しかし時間が経つと、冷たい空気は床のほうに溜まります。
つまり、クーラーから冷たい空気が出された直後は「大気の状態が不安定」、時間が経って冷たい空気が床のほうに溜まった状態は「大気の状態が安定」です。
「大気の状態が不安定」になると何が起こる?
「大気の状態が不安定」になると、大雨・雷・ひょう・竜巻などが起こりやすくなります。
なぜ大雨・雷・ひょう・竜巻などが起こりやすくなるのか、見ていきましょう。
まず、大気は不安定になると、不安定を解消しようとして、地上付近の空気が上空に持ち上がります。
地上付近にある暖かい空気が上空に持ち上がると、空気中の水蒸気が凝結して水滴になり、雲が発生します。
上空と地上の温度差が大きくなればなるほど、大気の状態はさらに不安定となって、大気が活発に動いて雲が発達します。
このとき発生・発達する雲は積乱雲です。
積乱雲のなかで上昇流と下降流が発生し、大きな雨粒ができたり、氷の粒がこすれあって雷が発生したりします。
「大気の状態が不安定」になる原因
「大気の状態が不安定」になる主な原因を3つ解説していきます。
原因1.上空に寒気が入る
上空に寒気が入るとき、上空は冷たい空気に覆われます。
一方、地上は上空よりも暖かい空気がある状態です。
よって「大気の状態が不安定」になります。
原因2.地上付近に暖気が入る
地上付近に暖気が入ることで、上空との気温差が大きくなって「大気の状態が不安定」になります。
例えば台風が近づいてくるときは、台風が南から暖かい空気を運んでくるため、大気の状態が不安定になりやすいです。
特に台風の場合は、暖かいだけでなく湿った空気であることも特徴。
「湿った空気」=「水蒸気がたくさんある」=「雲が発生・発達しやすい」となるため、大雨への警戒が必要になります。
原因3.強い日射で地面が暖められる
真夏などに強い日差しが照りつけるとき、地上付近はとても暖かく(暑く)なります。
すると、上空は地上よりも冷たい空気がある状態です。
よって「大気の状態が不安定」になります。