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「梅雨入りが早いと梅雨明けも早い」はウソ!

2021年5月21日

RainSeason

今年はもう梅雨入りしたんだね!早い!!
早く梅雨入りしたなら、梅雨明けも早いのかな?

2021年は各地で平年より早く梅雨入りしています。

「早く梅雨入りしたぶん、梅雨明けも早くなってほしい」と思っている人もいるかもしれません。

残念ながら梅雨入りが早くても、梅雨明けが早いとは限りません

今回は過去の梅雨入り・梅雨明けの日付を振り返りたいと思います。

さらに今年の梅雨の降水量予想も解説するので、ぜひ参考にしてください。

2021年の梅雨入り

各地の梅雨入りの状況は以下の通りです。(2021年5月21日時点)
梅雨入り(5月21日時点)

各地で平年より早く梅雨入りの発表がありました。

四国地方は統計開始以降で最も早く、九州南部・九州北部・中国・東海地方は統計開始以降2番目の早さです。

九州から東海地方は平年より20日前後も早い発表です。

地方 平年 平年との差
沖縄 5月10日ごろ 5日早い
奄美 5月12日ごろ 7日早い
九州南部 5月30日ごろ 19日早い
九州北部 6月4日ごろ 20日早い
四国 6月5日ごろ 21日早い
中国 6月6日ごろ 22日早い
近畿 6月6日ごろ 21日早い
東海 6月6日ごろ 21日早い

ちなみに、梅雨入りは「季節の移り変わりの期間」を表すので、”〇月〇日”ではなく"〇月〇日ごろ"と発表されます。

また、5月や6月に発表されるのは「速報値」です。

夏が終わったあとに、その年の梅雨の状況を振り返り、9月初めに梅雨入りや梅雨明けの「確定値」が発表されます。

速報値と確定値が異なることもあります。

過去の梅雨入り・梅雨明け

ここからは「過去に梅雨入りが早かった年は、梅雨明けも早かったのか」を見ていきたいと思います。

九州北部地方で梅雨入りが早かった年と、その年の梅雨明けは以下の通りです。
梅雨入り早い年_九州北部

九州北部地方の梅雨明けの平年値は「7月19日ごろ」です。

過去に最も早く梅雨入りした1954年の日付を見ると、梅雨入りは5月13日ごろですが、梅雨明けは8月1日ごろで、平年よりもかなり遅い梅雨明けだったことがわかります。

そのほかの梅雨入りが早かった年のデータを見ても、梅雨明けが早いわけではありませんでした。

過去のデータを見る限り、梅雨入りの早さと梅雨明けの早さは関係ないようです。

今年の梅雨明けはいつ?

気になるのは「今年の梅雨明けがいつになるのか」ではないでしょうか。

梅雨明けの日付を予想するのは難しいですが、今年の5月~7月は平年より降水量が多く、特に6月の降水量が多くなりそうです。

そのため梅雨明けが早くなることは、あまり期待できないかもしれません。
3か月予報_0423

降水量が多くなる原因には「偏西風」と「太平洋高気圧」が関係しています。

3か月予報の大気の流れ

(気象庁HPの図を元に作成)

5月~7月は、上空の偏西風がいつもより北を流れて、さらに太平洋高気圧の張り出しが強まることで、湿った空気が入りやすくなる予想です。

降水量が多くなる理由

  1. 偏西風が平年より北を流れる
  2. 太平洋高気圧の張り出しが強まって湿った空気が入りやすい

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