今回は、2022年台風14号による雨・風の記録と、特別警報や線状降水帯の情報についてまとめます。
台風14号は、非常に強い勢力で鹿児島県に上陸しました。
本州では初めて、台風による特別警報も発表。
雨や風がどのくらい記録的だったのか解説するので、ぜひ参考にしてください。
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2022年台風14号まとめ
- 宮崎県・神門では総雨量が985ミリ
- 大分県・蒲江と屋久島では最大瞬間風速50m/s越え
- 鹿児島県と宮崎県に特別警報を発表
- 宮崎県と熊本県に線状降水帯が発生
台風14号の雨の記録
台風14号が九州や四国、本州に近づく前から、暖湿気の流れ込みがあったため、長期間にわたって雨が降りました。
下図は、9月15日から9月20日の6日間に降った雨のうち、各地点における24時間降水量の最大値を示したものです。
大型の台風だったこともあり、台風から離れた地域でも雨が降っています。
九州や中国地方、四国では、記録的な雨量となりました。
九州の観測地点で、観測史上1位を更新したところを表にまとめます。
多くの地点で、日降水量(当日の0時00分~24時00分の降水量)が観測史上1位となりました。
また、10分で20ミリ以上の雨は、かなりの強さの雨です。
観測史上1位でないところでも、雨量が多くなった地点はたくさんあります。
宮崎県の美郷町神門では、降り始めからの雨量が985.0ミリと、1000ミリ近い雨が降りました。
台風14号の風の記録
台風14号は、風も記録的でした。
下図は、9月15日から9月20日の6日間のうち、各地点における最大瞬間風速の最大値を示したものです。
西日本を中心に、記録的な風の強さとなりました。
九州の観測地点で、最大瞬間風速が観測史上1位を更新したところを表にまとめます。
大分県・蒲江と屋久島では、最大瞬間風速が50m/sを越えました。
走行中のトラックが横転したり、電柱や街灯が倒れたりするレベルの風の強さです。
実際に大分県・佐伯市では、海上自衛隊の基地の桟橋が船とともに流されるなど、被害が出ています。
特別警報の発表
台風14号の接近・上陸に伴い、鹿児島県に暴風・波浪・高潮特別警報、宮崎県に大雨特別警報が発表されました。
特別警報は、発表の基準と条件が決まっていて、今回は鹿児島県に「台風等を要因とする特別警報」、宮崎県に「雨を要因とする特別警報」が出されました。
沖縄以外で「台風等を要因とする特別警報」が発表されるのは、今回が初めてです。
「台風等を要因とする特別警報」は、伊勢湾台風クラスの台風や温帯低気圧に対して発表されます。
台風14号は、一時的に中心気圧910hPa、中心付近の最大風速55m/sまで発達しました。
そのため「台風等を要因とする特別警報」の発表基準を満たしたと考えられます。
線状降水帯の発生
台風14号の接近に伴い、宮崎県と熊本県には線状降水帯が発生しました。
宮崎県の線状降水帯
宮崎県北部平野部・山沿いで線状降水帯が発生しました。命に危険が及ぶ土砂災害や洪水による災害発生の危険度が急激に高まっています。必ず安全確保を!!! pic.twitter.com/KztscIV1E6
— 荒木健太郎 (@arakencloud) September 18, 2022
熊本県の線状降水帯
線状降水帯は、梅雨前線に伴って発生することが多いです。
しかし、台風本体の雨や、台風の周りの雲による雨でも、線状降水帯が発生することはあります。
線状降水帯が発生した時は、気象庁「キキクル」や「雨雲の動き」、「気象情報」などを確認するようにしましょう。
<参考>
・災害時気象資料―令和4年台風第14号による9月15日から19日にかけての九州地方の気象状況について―
・鹿児島県に暴風、波浪、高潮特別警報発表(気象庁HP)
・宮崎県に大雨特別警報発表(気象庁HP)
・線状降水帯に関する情報について(気象庁)