環境省と気象庁は、2021年4月28日から全国で熱中症警戒アラートの運用を始めます。
2020年には関東を中心とした1都8県で試験的に運用されていましたが、今年から全国を対象として運用するようになります。
今回の記事では「熱中症警戒アラート」について解説していきます。
熱中症警戒アラートとは
熱中症の危険性が高いときに、熱中症の予防行動を促すために発表される情報です。
具体的には「暑さ指数」が33以上と予測される場合に発表されます。
暑さ指数については以下の記事をご参考ください。
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熱中症の危険度をあらわす「暑さ指数」とは
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発表地域
2020年は7月~10月に、1都8県(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、長野県)に対して試験的に熱中症警戒アラートを発表していました。
2021年は4月28日~10月27日の期間、全国を対象として発表されるようになります。
基本的に都道府県単位で発表されますが、北海道・鹿児島県・沖縄県は細分化されます。
ポイントとなるのは、発表地域にある地点のうちいずれかの地点で暑さ指数33以上を予測した場合に発表されること。
例えば大分県で気温を観測している地点は15地点ありますが、このうち1地点でも暑さ指数33以上を予測すると、大分県全域を対象として熱中症警戒アラートが発表されます。
発表タイミング
発表されるタイミングは「前日の17時」と「当日の朝5時」です。
気象庁の天気予報が発表されるタイミングに合わせて熱中症警戒アラートも発表されるようになります。
(※気象庁の天気予報は基本的に1日3回(5時,11時,17時)に発表されます)
また、発表のあとに天気が変わっても発表の追加や取り消しは無いとしています。
熱中症警戒アラートの確認方法
熱中症警戒アラートは気象庁HPと環境省HPで確認することができます。
環境省ではメール通知サービスも行なうようです。
2020年は環境省公式LINEでも通知をしていました。
熱中症警戒アラートが発表されたら
熱中症警戒アラートが発表されたときは普段以上に熱中症対策を行ないましょう。
熱中症の予防行動
- エアコンを使う
- こまめな水分補給
- 運動の中止・延期(エアコンが設置されていない場合)
- 熱中症になりやすい人(高齢者や子供など)への声かけ
2020年の結果
2020年7月~10月に1都8県に対して熱中症警戒アラートを実施した結果、合計26回(8月に20回、9月に6回)の発表がありました。
2020年7月は低温のため発表には至らず、8~9月は高温となったため発表がありました。
都県別に見ると、最も多かったのが神奈川県(20回)、最も少なかったのは長野県(5回)でした。
(※1回の発表時に複数の都県が対象となることがあります)
鳥取にあてはめると
Twitterで2020年8月の天気予報を振り返ると、鳥取県は暑さ指数33以上を予測していた日が複数ありました。
Twitterを見るだけでも、8月9,10,14,16,20,25,26,27日は熱中症警戒アラートの発表基準を満たしています。
すべての日をチェックしていたわけではないので、おそらく2020年夏の間にもっと多くの日が熱中症警戒アラートの対象となっていたと思われます。
「鳥取市の暑さ指数は30だけど、米子市は33の予想」というような日もあり、地点による違いも見られました。
【鳥取県の天気 8/10(月)】
今日も大変暑くなりそうです。■今朝の最低気温
鳥取29.3℃、米子28.7℃■午前8時の気温
鳥取32.0℃、米子30.8℃■日中の予想最高気温
鳥取35℃ 米子36℃午後は局地的に雷雨のおそれがあります。
次第に南風が強まりそうです。 pic.twitter.com/LQA0AsQyCL— 熊澤里枝(気象予報士) (@Rie_Kumazawa) August 9, 2020
試験的に運用した1都8県とは異なる気候の道府県も多くあります。
「全国一律の発表基準」かつ「発表地域のいずれかで基準を満たせば全域に発表」という運用方法がどのように働くのか、今年の夏に注目したいと思います。
■参考■
「熱中症警戒アラート」の全国での運用開始について(気象庁)
熱中症予防対策に資する効果的な情報発信に関する検討会(環境省)
熱中症警戒アラートについて(環境省・気象庁)