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フェーン現象とは【ドライフェーンも解説】

2020年8月17日、静岡県浜松市で最高気温41.1度を観測しました。

日本で観測された気温としては、観測史上1位タイの記録です(2020年8月18日現在)。

8月17日のデータはこちらの記事に載せています↓↓

浜松で国内最高気温1位タイ!【41.1℃】

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さらに2020年9月3日には新潟県三条で最高気温40.4℃、新潟県中条で40.0℃を観測し、全国で観測史上初めて9月に40℃以上になりました。

これらの地域で気温が上がった原因として、フェーン現象が挙げられます。

今回の記事では、フェーン現象について詳しく解説します。

フェーン現象とは

湿った空気が山を越えて反対側に吹き下りたときに気温が上がる現象を「フェーン現象」といいます。

山に登ると寒く感じるように、空気が上空に持ち上げられると温度が下がります。
反対に、空気が上空から地上に降りてきたときは温度が上がります。

このような温度変化には、以下の2つのパターンがあります。
乾燥断熱変化(1000mあたり約10℃変化する)
湿潤断熱変化(1000mあたり約5℃変化する)

地上から空気が持ち上げられるとき、雲ができるまでは乾燥断熱変化で変化します。(0m(25℃)→1000m(15℃))

雲ができて雨が降ると、空気は湿潤断熱変化で変化します。
(1000m(15℃)→2000m(10℃))

雨で水分が減った空気が地上に降りるとき、空気は乾燥断熱変化で変化します。
(2000m(10℃)→0m(30℃))

風上側の気温は25℃、風下側の気温は30℃となって、風下側の方が気温が上がることがわかります

参考乾燥断熱変化と湿潤断熱変化

温度の変化が乾燥断熱変化湿潤断熱変化の2パターンあるのはなぜでしょうか。

空気はほとんどの場合、水蒸気を含んでいます。

空気が含むことのできる水蒸気量をオーバーしてしまうと、水蒸気が凝結して雲が発生します。

水蒸気(気体)が凝結して水滴(液体)に変わるとき、潜熱という熱を出します。熱が放出されるので気温の下がり方が鈍くなります。このように潜熱の放出を伴う変化が湿潤断熱変化です。

一方、潜熱の放出を伴わない変化が乾燥断熱変化です。

乾燥断熱変化では水蒸気の凝結は起こらないため、熱が発生することが無く、湿潤断熱変化よりも気温の下がり方が大きくなります。

ドライフェーンとは

風上側で空気が上昇するわけではなく、山を下りる下降気流のみで気温が高くなる現象を「ドライフェーン」といいます。

山の頂上から麓に空気が下りてくるとき乾燥断熱変化で変化するため、1000mあたり約10℃気温が上がります。

ドライフェーンの実例

2020年8月17日、静岡県浜松市で最高気温41.1度を観測した要因の一つとしてドライフェーンが挙げられます。

地上の風向を見ると、西南西の風が吹いていて山越えのフェーン現象は起こっていないように見えます。

(気象庁HPの図を加工)

しかし上空の風を見ると、北西~北北西の風が吹いていて、山の方から風が吹き降りていることが推測されます。

(気象庁HP)

気温が上がる要因は幾つかあると思いますが、その1つがドライフェーンだったと考えられます。

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